温泉にゆっくりつかって、疲れたらお部屋でうとうと。気の向くままに散歩して、おなかがすいたら身体が喜ぶものを食べ、夜はぐっすり眠る。そんな湯治こそ、魂と身体を整える究極の癒し時間。
この冬は思い切って休暇を取り、1週間の湯治旅へ出かけてみませんか。そしてせっかくなら、ぜひ一人旅を。誰に気兼ねすることなく心のおもむくまま過ごせ、自分のことや人生について見つめなおす、いいきっかけになるかもしれません。
湯治を成功させる宿選びのコツ
湯治で押さえておきたいポイントは「期間は1週間以上」「食事はクリーンで控えめに」「たっぷり寝て、とにかくダラダラ怠けて過ごす」の3つ。そこで重要になるのが宿選びです。
どんな宿に泊まるかで、時間の過ごし方や食事など、湯治の質が決まるので、下のヒントを参考に、自分にぴったりな宿を見つけてみてください。
<宿探しのヒント>
・旅館や民宿ではなく、湯治宿
・自炊ができるか、もしくは野菜中心のヘルシーな食事を用意してくれる
・街から離れた、静かな場所にある
・山の中や川のそばなど、自然の中を散歩できる
・風呂場が人で混み合わない(日帰り入浴を受け入れているところは要注意)
・露天風呂がある
・長期滞在になるので、お値段が手ごろ
・一人泊ができる
マンマ流、身体の声を聞く入浴法
温泉には1日何度入るのか、一度に何分ぐらい浸かるのがいいかなど、入浴方法には諸説ありますが、マンマ流の入浴スタイルは「とにかく身体の声をきき、その希望に従う」こと。そして「絶対に無理をしない・頑張らない」「水をたくさん飲む」ことです。
<マンマ流入浴法>
一般的な入浴スタイルよりも少しハードですが、デトックス効果はバツグンです。
お湯につかる時間は特に決めず、身体が内側から熱くなるまで入る。
「身体が熱い」「お風呂から出たい」と感じてきたら、決してそれ以上頑張らず、お湯から上がる。
露天スペースや洗い場、脱衣所など、涼しくて落ち着く場所で身体を芯まで冷ます。水ぶろや水シャワーで冷やすのも効果的。また水をたっぷり飲み、身体の内側からも冷やす。
「寒い」「熱いお風呂に入りたい」と感じたら、もう一度お湯につかる。
①~④を繰り返すうち、心も身体も究極のリラックス状態に。1時間ほどすると普段とは違うゆったりとした脳波になることが感じられます。慣れてくれば1セットにつき2時間程度がおすすめ。
心地よく疲れてきたら、入浴タイムはいったん終了。
お部屋にもどってリラックスし、またお湯につかりたくなったら温泉へ。
湯治初日はお湯で身体が疲れやすいので1セットの入浴時間は20~30分程度にしておきましょう。徐々に慣らしながら、最終的には最長1~2時間の入浴を1日に2〜3セット程度行うのが目安です。
ただしどんな時も無理は禁物。温泉は身体に良い反面、長湯をするとても疲労するため、疲れている人や病気の人は、まず休養や睡眠をたっぷりとって体力を回復させてから、ゆるやかに入浴時間を長くしていきましょう。身体の声を聞き、お風呂に入りたくないと感じたら、入らない決断も大切です。
また水分補給は忘れずに。お風呂やお部屋で1日に2~3リットルほど飲みましょう。のぼせや脱水症状を防ぎ、たっぷりの汗と尿から体内に溜まった毒素をしっかり排出します。
食事は少なく、オーガニックなものを
せっかく湯治に来たのなら、食事も身体が喜ぶスタイルにしてみませんか。自炊できる宿なら産直ショップなどで、採れたての無農薬野菜やフルーツといったヘルシーな食材を手に入れて、野菜中心のメニューを。肉・魚類は身体が求める時だけにして、食事回数は昼食と夕食の1日2回にすると、胃腸が休まります。
そして食事についても基本的には、体の声を聞くことが大切です。たくさん食べたい、また逆に何も食べたくないと感じたら、その声に従って様子を見てみましょう。
湯治旅の過ごし方
入浴の合間のリラックスタイムには、散歩がおすすめです。自然の中、胸いっぱいに美味しい空気を吸い込んで、のんびり歩くうちに頭も心もすっきりし、ちょっとした瞑想状態が得られます。
また気になっている本を読んだり、落書きしたり、瞑想をしたり。もしくは心ゆくまで昼寝をするなど、何もせずただボーっと過ごすのも、湯治ならではの贅沢な時間です。身体と心が求めることだけをしながらのんびりすることで魂が満たされ、エネルギーをチャージできます。
日本では、湯治は古来より病気やケガの療養として親しまれてきました。その歴史は奈良時代にまでさかのぼるという説も。そして今もがんやアトピー、乾癬(かんせん)、手術後の療養として、密かな注目を集めています。
1週間のお休みが取れそうにないという方は、まずは2泊3日の湯治旅から始めてみるのも良さそうです。日本が誇る自然療法である「湯治」を、魂と身体の健康習慣に取り入れて見てはいかがでしょう。
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