「グリーンウォッシュ」という言葉、聞いたことがありますか?これはあたかも環境や健康に配慮しているような見せかけの企業活動や広告によって、消費者を欺くことです。
先日見かけたドラッグストアのシャンプーコーナーは、まさにこの「グリーンウォッシュ」であふれかえっていました。
例えば「パッケージには “無添加”と書かれているのに、合成香料が添加されている」や「商品名は“ボタニカル〇〇”なのに石油系の界面活性剤が使われている」など。数十種類もの商品が並ぶなか、安心して使えそうなのは、たった2~3商品だけでした。
こうした「グリーンウォッシュ」に惑わされないためにも、そのカラクリにちょっと目を向けてみませんか。
◆「無添加」「ボタニカル」「ハーバル」「オーガニック」の表記をまずは疑ってみる
無添加=完全無添加ではなく、植物由来成分「使用」と書いてあっても、植物由来成分「だけ」が使われているわけではないということです。つまりナチュラルっぽいことが書いてあっても安心はできません。
これはシャンプーだけでなく、ボディソープや洗濯洗剤なども同様なので、まずは表示成分をよく確認することが大切。下記に記載する成分が入っている場合は要注意です。
<特に気を付けたい成分>
石油系洗浄剤(ラウレス硫酸Na/ラウリル硫酸Na他)、合成界面活性剤、合成香料(アニスアルデヒド/アネトール/イソオイゲノール/オイゲノ-ル/ゲラニオール/シトラール/サンタロール/ネロール/テルピネオール/フェネチルアルコール/ピペロナール/リモネン/安息香酸/桂皮アルコール/桂皮アルデヒト他)、合成色素、合成防腐剤、防腐剤(パラベン)など。
成分を全部チェックするのが大変だという方は、まずは「100%天然香料使用」や「合成香料不使用」の表記があること、そして「完全無添加」「100%植物性原料使用」などの表示があれば、まずは大きな危険は避けることができます。
◆実はキケンなベビー用品
「赤ちゃんにも安心」「ベビー向け~」と書かれた商品も一概に安心とは言えません。誰もが知っている有名なベビーオイルがいい例です。主成分はミネラルオイルで、ミネラルと聞くと体に良さそうなのですが、実はこの正体は石油からつくられた鉱物油なのです。賛否両論ありますが、大人が使用しても肌の不調が出たという報告も数多く出ています。はたして、石油を肌につけたいと思う人がいるでしょうか?
◆女性は特に気を付けて
特に女性は化粧品やハンドクリームなど、石油系油脂や添加物が配合された製品を肌に直接つける機会が多くあります。化学物質過敏症の7割が女性だという統計がありますが、こうしたことも関係しているのかもしれません。
◆あなたの買い物が世界を変える
「買い物は投票」と言われるほど、私たち消費者が危険な製品をきちんと見分け、買わないようにすることで、企業の姿勢も変わってきます。アメリカでは最近「Unstoppable Moms (止められないママ)」と呼ばれるママ達のグループが、子供のアレルギーの原因になるとして遺伝子組み換え食品をボイコットしたところ、あの巨大企業であるネスレが遺伝子組み換え食品の製造販売を控える動きを見せるようになったのです。
◆「合成香料反対」への一票を!
「香害」としても話題になっている「合成香料」。香料は空間に揮発するため、知らないうちに有害成分を吸い込んで、頭痛やアレルギーなど健康被害を引き起こすこともあります。
今、自身が化学物質過敏症になった経験から「香料マイクロカプセル技術の使用中止」や「香料自粛」を、国に要望する署名活動をしている方がいます。マンマナチュラルズでも合成香料による健康被害を減らすため、その活動を支援しています。署名はこちらのウェブ上からできるので、気になる方はぜひ参加してください。
「何を買うか」「どんなことにアクションするか」こうした私たちの日々の選択が、企業や国を動かし、世界を変える原動力になるのです。企業の「グリーンウォッシュ」をきちんと見抜き、私たちの健康と未来にとって賢い選択ができるといいですね。
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