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暮らしにひそむ、ジェンダーギャップ

女性のみなさんに質問です。街の歩道や店内で、前から男性が歩いてきたら、あなたはどうしますか?


こんなとき「ほとんどの女性が無意識のうちに男性に道を譲る」という統計があるそうです。ではあえて、道を譲らず歩き続けてみたら?あるオランダの心理学者の実験によって、男女の意外な深層心理が見えてきたのです。


女は男に譲るのがあたりまえ?


その実験では、約10人の女性に道を歩いてもらい、前から男性が来ても、よけずにすれ違った結果、女性たちは「イライラ、居心地の悪さ、気分の落ち込み」などのストレスを感じたそうです。その意外な結果に、実験に参加した女性たち自身が戸惑いました。

そこから見えてきたのは、女性たちのなかには「女性は男性に道を譲るべき」という男性上位の深層心理が働いていること、そしてそれに反する行動をとったことで自分自身を責め、ストレスを感じてしまうのだということです。さらに検証を進めてみると、この無意識化にある価値観や行動は、主に母から娘に代々引き継がれていることも明らかになりました。


この深層心理は、道に関してだけでなく、暮らしや人生のあらゆるシーンに、影響を及ぼしているはずです。無条件に男性を立てたり、譲ったりすることが心グセになっていないか、普段から意識してみると、自分の中にある意外なジェンダーギャップがみつかるかもしれませんね。


家庭で起きがちな、残念な役割分担


「台所の洗剤、もう切れてるよ」「ゴミ袋買っといてよね」。夫が食器洗いやゴミ出しをした際にこんな声が飛んでくるようなら、まだまだ家事の責任者は女性で、男性は「お手伝いをしてあげている」という意識なのかもしれません。


またよくあるのが、夫の来客時には妻がお茶を出すのに、妻に来客があっても夫はしらんぷり。ほんとうなら、それぞれ自分の客は自分でもてなすか、お互いの来客をケアし合うのが公平ですよね。


一方で女性も、男性が少し家事を手伝っただけで「ごめんね」や「ありがとう」を言いすぎていませんか?もし自分のなかにも「家事は女の仕事」や「良妻賢母であろうとする」気持ちがあるなら、それらをさっさと追い出してしまいましょう。必要以上の責任感を手放すことができれば、ぐんと気持ちがラクになるはずです。


そもそも人は、家事など身のまわりの世話を全て人にしてもらっていると、その人よりも自分はエライと勘違いしがちです。家事を分担することは、女性・男性ともに男性優位の思考回路から抜け出す、いいトレーニングにもなりますよ。


平等な未来をつくるために


夫婦間の役割だけでなく、子どもへの対応も大切です。「女の子なんだからお行儀良くしなさい」「男の子なんだから泣いちゃダメ」そほのか「女の子なのに堂々とできたね」「男の子なのにお料理が上手だね」など、性別によって違うしつけや誉め言葉は、ジェンダーバイアスを子供たちに植え付けてしまいます。


男女に関わらず「お行儀良くしようね」「お料理が上手だね」といった声がけや、「お手伝いを女の子にだけ頼まない」など、まずは大人たちが男女平等の意識を持って、負のサイクルを伝承しないように心がけたいですね。

このほか、服装やおもちゃ、習い事などでも男女差が付きがちです。女の子にはピンクの服、男の子には乗り物の絵本など、自然と子供自身がそれを選んでいるように見えても、実は「女の子・男の子が選ぶべきもの」という親や社会からの刷り込みに影響されているのかもしれません。

ただ最近は女の子がサッカーチームに入ったり、男の子がバレンタインのお菓子を作ったりなど、嬉しい変化が始まっています。子ども世代の意識が変われば、男女差のない幸せな未来の実現につながります。


この世からジェンダーギャップが消え去って、人類の半分である女性がもっと自由に、もっと幸せに、生きられる世界になりますように。


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manma naturalsもサポートしている世界の女の子を守るNGOの紹介をしています



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